バブル崩壊後の30年間、我が国はデフレに悩まされてきました。日本企業、特に大企業は、短期的な業績改善を優先して値下げをし、そして利益を確保するためにコストカットを進めてきました。あえて単純化すれば、賃金・投資を抑え、下請企業に負担を寄せてきました。
総理に就任した際、私が「新しい資本主義」を掲げたのは、この縮小均衡のコストカット型経済の悪循環を一掃しなければ、日本経済が再び成長することはできないと考えたからです。
この2年間、経済界に賃上げや設備投資、研究開発投資を強力に働きかけてきました。また、価格転嫁の推進など下請企業の取引改善に全力で取り組んできました。この結果、30年ぶりとなる春闘にお